そうめんとひやむぎの違い 手延べそうめんとは?にゅうめんとは?

2016年6月21日料理そうめん,ひやむぎ,違い

そうめんとひやむぎ(冷麦)ってパッと見はほとんど同じに見えますよね。一体何が違うのでしょうか。

さらに言えば手延べそうめんと普通のそうめんって違いがあるのでしょうか。

そうめんとにゅうめんもよくわからないですよね。

今回はそうめんとの違いをそれぞれまとめてご紹介します。

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そうめんとひやむぎの違いって何?

現在はJAS(日本農林規格)によって明確に基準が設けられています。太さで線引きがされているんです。

そうめん
丸棒状で0.8mm~1.3㎜未満
角棒状では0.7mm~1.2㎜未満
ひやむぎ
丸棒状で1.3㎜~1.7㎜未満
角棒状で1.2㎜~1.7㎜未満

と決められています。

ちなみに1.7mm以上になるとうどんの分類になります。

太さで見ると
そうめん<ひやむぎ<うどん
ということですね。

現在はこのような決まりになっていますが、もともとは由来も作り方も違うものでした。製法が時代によって機械化されていったことによって、このような規格になったのでしょう。

そうめんの由来

小麦粉を縄のようにして油で揚げた唐菓子である「索餅(さくべい)」がそうめんの原形と言われています。これは奈良時代に伝来したものです。

平安時代には索餅(さくべい)は小麦粉と米粉に塩を加えて作る麺(米粉は混ぜないという説もある)という記録があります。このときの形状はわかっていませんが、かなり太い麺のため、ちぎって食べたのでは、と考えられています。

室町時代には現在の形になり「索餅(さくべい)」「索麺(さうめん)」が麺類を表す言葉で「素麺(そうめん)」の名称も混じって使われていました。

中国の『居家必要事類全集』には日本の手延べそうめんと同じように「表面に油を塗りながら延ばしていくことで、最後に棒に掛けてさらに細くする」製法を索麺の作り方として紹介しています。

やがて「素麺(そうめん)」が定着しました。麺が白いことから「素」の文字が当てられたと考えられています。

冷麦の由来

「冷麦」の語の由来はうどんの食べ方の「熱麦」に対する語といわれています。

うどんのように、小麦粉と水を混ぜて綿棒で伸ばして切り分ける作り方のものを日本では「切り麦」としていました。調理法によって呼び方が違ったようです。

熱麦(あつむぎ)
茹でてせいろに乗せて食べる
冷麦(ひやむぎ)
茹でて水で冷やして食べる
温飩(うんとん)
熱いだし汁などに浮かせて食べる

これらがまとめて「うどん」と呼ばれるようになるのですが、このことから冷麦は現在のうどんの冷たいものを指すと言えます。ざるうどんとか冷やしうどんのことですかね。

ですが製法が機械化メインになると、細い麺にも冷麦と商品名をつけ売りだし、そうめんと冷麦の差がわかりにくくなってしまったのです。

現在はそうめんの次に細い麺をまとめて冷麦と呼んでいます。もともとは冷麦はうどんと同じ麺のことで、食べ方の違いだったんですね。

そうめんと冷麦の作り方の違い

由来を確認するとわかりますが、製法がもともと違います。そうめんは油を塗って麺を細く伸ばしていく作り方で、冷麦はうどんのように一枚の小麦粉シートを作ってから切る作り方です。

ですが現在は機械化されたことにより、作り方の差ではなく、太さで名称を区別しています。細く作られた方がそうめん、少し太く作られた方が冷麦ですね。

そうめんと手延べそうめんの違い

手延べそうめんは小麦粉の記事に油を塗ってよりをかけながら細く伸ばしていって乾燥させたものです。

普通のそうめんは機械そうめんともいわれています。薄く広げた小麦粉の生地を機会で細く切って乾燥させます。

いわゆる乾麺というのは機械製法のもので、手作業のものは手延べ干しめんと呼ばれます。

ちなみに手延べそうめんと手延べひやむぎは基準は同じです。手延べ干しめんの中で直径が1.7mm未満は「手延べそうめん」もしくは「手延べひやむぎ」に分類されます。1.7mm以上は「手延べうどん」に分類されます。

そうめんとにゅうめんの違い

そうめんとはどんな麺なのかを表すもので、にゅうめんとはそうめんの調理法の一種です。

温かいそうめんといえばわかりやすいでしょうか。にゅうめんは「煮麺」が語源とされていてイメージしやすいですよね。

汁は特に決まっているわけではなく、醤油ベースでも味噌ベースでもOKです。

夏に食べきれなかったそうめんを冬ににゅうめんとして食べるのも美味しいですよね。

温麺とにゅうめんの違い

温麺(うーめん)とにゅうめんはどちらも温かい調理法で同じものかと思いきや、違うものなんですね。

温麺(うーめん)は調理法を指すのではなく、麺の名前でそうめんの一種です。油を使わないで作られているので健康志向の方におすすめです。

油を使わない製法は難しいことからそうめんよりも長さが短い束のことが多いようです。

まとめ

そうめんと冷麦の違いは現在は太さによって分類が決まっていますが、歴史を見ると製法や食べ方によることがわかりました。

徳島名産の半田素麺はそうめんより太い規格ですが、長年の製法や歴史から「そうめん」という名称が許されています。

長崎の五島うどんや秋田の稲庭うどんなども商品によっては冷麦かも、とも思いますが、分類する上での歴史が複雑ですし、歴史を優先してほしいなと思います。
 

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