ひな祭り食べ物の意味!ちらし寿司・蛤・菱餅・桜餅・ひなあられ由来
ひな祭りに料理を用意するのなら、それぞれの食べ物の意味や由来などを知っておきませんか。
定番のちらし寿司・蛤・菱餅・桜餅・ひなあられだけでなく、そば、菜の花、わけぎ、さよりについても紹介します。
縁起を担いで楽しい桃の節句を過ごしましょう。
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ひな祭りに限らず、季節の変わり目である節句はお祝いの料理として行事食が食べられています。
現代でいうお正月のおせちがイメージしやすいかと思います。昔は季節ごとの節目を大事にしていたんですね。
桃の節句は女の子の成長をお祝いするひな祭りで豪華なごはんを食べますよね。もちろん地域によって料理が違います。
ひな祭りの有名な行事食としては、ちらし寿司や蛤のお吸い物、菱餅、桜餅、ひなあられ、白酒・甘酒などなど、由来のある料理が用意されます。
それぞれの意味や由来を確認してみましょう。
ちらし寿司の意味
お寿司というのは「寿を司る」としてハレの日に食べられるようになりました。そこから関係して桃の節句のひな祭りにも食べるようになったと考えられます。
どちらかというと、使われる具材に縁起を担いでることがお祝いにふさわしいと言えるでしょう。
- えび:腰が曲がるまで長生きするように
- れんこん:見通しがきくように
- 豆:健康でまめに働けるように
春らしい華やかな彩りが女の子らしく、ひな祭りの定番メニューとなったようです。
ちらし寿司ではなく、押し寿司、巻き寿司、手巻き寿司を食べる地域もあります。現在は小さい子も食べやすく見た目が可愛い手まり寿司やカップ寿司なども人気ですね。
関連ちらし寿司に合うおかずでおもてなし!ひな祭り料理の由来もふまえて蛤の吸い物のいわれ
蛤はひな祭りの代表的な食べ物です。
はまぐりの貝殻は、平安時代の「貝合わせ」遊びなどで知られるとおり、対になっている貝殻でなければぴったりと合いません。
このことから仲の良い夫婦の象徴として、一生一人の人と添い遂げるようにという願いが込められた縁起物です。
女性の貞節を表しているものでもあるので嫁入り道具としても使われていました。雛人形に飾られている貝桶がそれで、貝合わせの貝殻を入れるものです。蒔絵などで美しく装飾した蛤の貝を入れるものなんですね。
さらに蛤はとても栄養があるので、汁まで残さずに食べることができるお吸い物を頂くようになったそうです。
焼いたりしても美味しいですが、お吸い物にするのがひな祭りのスタンダードですね。
菱餅の由来
中国では旧暦3月の最初の巳の日にあたる上巳節(じょうしせつ)にハハコグサの草餅をお供えしていました。これが日本でヨモギ餅になり、江戸時代に3色の菱餅になりました。
ひな人形と共に緑、白、ピンク(紅)の3色の餅を菱形に切って重ねたものを飾ります。
菱餅というのはいわゆるお餅なんですが、食べるためには煮たり焼いたりと調理する必要があります。どうしても手間がかかってしまうので、現在はゼリーやういろう、おこしなど菱餅に見立てたお菓子をお供えすることが多いのかもしれません。
菱餅の色の意味
ひし餅は一般的に緑・白・桃(赤)の3色です。
- 色自体に意味がある
- 色を自然に見立てている
このように大きく二つの説があります。
色の意味
- 赤:魔除け・解毒
- 白:清浄・長寿
- 緑:厄除け・健康
赤は中国でも重んじられる色ですね。お寺などにも使われています。日本も神社が赤いですよね。
白は日本人にとってまっさらで美しい色です。太陽光を反射すると白になります。つまり神様にとても近いとされる色なんです。国旗にも使われていますよね。
緑は植物や自然の色です。生命や繁殖、健康などの意味があります。
色が自然を表す
- 赤:桃の花
- 白:雪や残雪
- 緑:新緑とか新芽
雪が溶け、緑が芽生え、花が咲くという意味です。
この三色を食べる事で大自然の生命力やエネルギーを取りこみます。つまり健やかに育つようにという意味が込められてるんですね。
色付けの材料
さらに餅の色付けに使われている材料も健康効果に期待できます。
- 赤のクチナシ:血流の改善、解毒作用
- 白のひしの実:健胃、滋養強壮、脂肪吸収・血圧上昇の防止
- 緑のよもぎ:造血作用、整腸作用
菱餅の色の順番
菱餅の色は一般的には下から緑・白・桃の順ですが、白・緑・桃の順の地方もあります。どちらでも間違いではありません。
下から緑・白・桃
雪の下には芽吹き始めた大地が隠れていて、上には桃の花が咲いている
下から白・緑・桃
雪の中から新芽が芽吹き、上には桃の花が咲いている
なお地方によっては、下から
- 二色:白・緑
- 三色:白・緑・黄
- 五色:白・緑・赤・黄・オレンジ
なども見られますし、紫が入ることもあるようです。
菱餅が五色の意味
5色の菱餅の場合の多くは下から白、緑、赤、黄色、オレンジです。
3色の意味は従来と同じですが黄色とオレンジは?
5色の菱餅はどうやら近年に発案されたもので、3色よりも見た目が華やかであるという意味で作られたようで色の意味は後付けのようです。まあ諸説ありますし、作り手によっ違うようですね。
- 月の黄色、太陽の赤(オレンジ)が加わった
- 水神竜蛇の嫌がる色であり、悪鬼から幼い子供を守る
- 菜の花の黄色、または栗の黄色が加わり、秋の豊かな実りを祈願する
ほかにも茶(朱赤)、黄色、白、緑、ピンクの菱餅だと、土の中から新芽が出て雪を破り、茎が伸びて花が咲いていく様子を表現しているなど、色んな説があります。
菱餅の形の由来
もともとは三角形のものであったひし餅が江戸時代に菱形になった由来は諸説あって定かではありません。
- 子孫繁栄の意味がある菱の実の形にあやかった
- 宮中のおせち料理の一種である菱葩餅(ひしはなびらもち)の影響を受けた
- 風水では菱形が心臓の形をあらわしている
- 陰陽道で菱形が女性を表す
今でも一部地域で、三角形のお餅をお供えするところが残ってますよ。
桜餅をなぜ食べるようになったか
桜餅はもともとひな祭りに食べられていたわけではありません。
桜餅は手軽に食べれることから、菱餅に代わって食べられるようになったんですね。桜餅が一般的になったのは昭和に入ってからのようです。確かに菱餅を食べたことがないという人も今は結構いるのではないかと思います。
桜餅は手軽さから食べられるようになったという理由も大きいようですが
- 桃の節句ということでピンクの桜餅の色合いが好まれた。
- 端午の節句(こどもの日)の柏餅に対をなすものとして、ひと回り小さい桜餅が浸透した。
- 結婚式の時に振舞われる桜湯(八重桜の塩漬けを浮かべた飲み物)に対して、葉桜なのでまだ花になりませんという意味。
などの説があります。
桜餅は大きく分けて2種類あります。長命寺と道明寺ですね。どちらも桜餅なんですが全国的には道明寺が桜餅という認識が高いようです。
画像だと長命寺が右、道明寺が左ですね。
- 長命寺:小麦粉や白玉粉の生地を焼いて餡を包んだもの。関東での桜餅。
- 道明寺:道明寺粉を蒸して餡を包んだもので生地は粒がある。関西での桜餅。
ひなあられの由来
餅に砂糖を絡めて炒った、ひな祭りの節句の代表的な和菓子のひとつです。
子供の人形遊びは、ひな遊びと言われていました。この人形を外に連れて行って野山などを見せてあげるという風習があり、その時に食べるものをひなあられと呼んだそうです。
外でも食べやすいように細かいんですね。なんと菱餅を砕いて作っていたという話もあります。
ピンク、緑、白の3色の場合は菱餅の色と同じ意味ですが、黄が加わった4色の場合はそれぞれ四季を表していると言われています。
でんぷんが多く含まれていてエネルギー源として健康に良いことから「1年中娘が幸せに過ごせるように」という願いが込められています。
ひな祭りの白酒の由来
白酒は江戸後期からといわれています。
もともとは中国の風習にならって桃の花びらを酒に漬けた「桃花酒(とうかしゅ)」が飲まれていました。桃は邪気を払い、健康や若さを保つので、縁起が良い薬酒とされてきました。
ですが桃花酒はあまり一般的ではなかったため、代わりに白酒が使われるようになったそうです。
また、桃の花を太陽、白酒を月になぞらえ「日と月をまつる」という意味も込められています。
ただし白酒はアルコール度数10%前後のお酒で大人しか飲めません。そのため子どもはノンアルコールの甘酒を飲むようになりました。
関連甘酒のアルコールで飲酒運転になる?子供が飲んでも大丈夫?ひな祭りにそば
雛そばといって、ひな祭りにそばを供えるという江戸の風習もあります。江戸中期より庶民にかなり広まっていたようです。
雛そばは三月三日もしくは四日に供えます。
お供えをしてからお雛様をしまったようです。清めの儀式、もしくはお雛様のお嫁入り(引っ越し)という意味合いでそばを食べたようです。
もともとは普通のそば切りだったものが、時代が進むにつれて華やかな三色や五色のそばも用いられるようになりました。変わり蕎麦ですね。
桃の節句におそば屋さんに行くと食べることができますよ。
ちなみに地域によっては雛うどんというのもあるそうです
ひな祭りの菜の花の由来
春を代表する食材のひとつですね。
ひな祭りに菜の花を食べる由来は特になく、旬であることと、春らしさと鮮やかな緑の彩りという意味で使われているようです。
ちらし寿司にもお吸い物にも使えるし、副菜としておひたしにもできるので使い勝手が良い食材ですね。
ひな祭りのわけぎの由来
わけぎは早春から強い生命力で芽吹き、根元が分かれて増えていくことから子孫繁栄の縁起物です。さらに臭いが強いネギの仲間ということで邪気を払うとも言われています。
まっすぐなわけぎを並べてお箸に見立てて、大切な娘が一生食べるのに困らないようにという願いも込められています。
ひな祭りにわけぎの酢味噌和えが食べられている地域がありますし、ちらし寿司の副菜としてもおすすめですね。
ひな祭りにさより
さよりは細魚、針魚などの意味があり、細長いので女性的なお魚とされています。
この直線的な形から、二匹並べてお箸に見立てます。
こちらも食いっぱぐれないようにという願いが込められているんですね。
ひな祭りの食べ物の意味と由来のまとめ
ひな祭りの定番や比較的有名な食べ物について意味や由来を紹介しました。
時代に合わせて変わっていくものですね。
すべてを用意して食べるのはさすがに大変かと思います。
あなたの家に合ったひな祭りの献立を楽しんでくださいね。
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